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…爆笑怪奇憚其の壱・ドライブ…
新しい彼女とドライブしていた時の話。
俺はバックミラーを見てギョッとした。
噂で聞いていたが、車の後ろからピッタリとありえないスピードで走っている爺さんがこちらをニヤニヤしながら見ていた。
どんなにスピードを上げても爺さんは追いかけて来る。
とうとう彼女が恐怖から泣きだしてしまった。
俺は何だか恐怖よりもに彼女を泣かせた爺さんに腹が立って車を急停車させた。
バンッ!
爺さんは車に思いきりぶつかった。
(幽霊のくせに車にぶつかる)
それだけでは済まさずに俺は勢い良くバックさせて、爺さんをギャギャギャギャッという音を立てながら、ミンチにする気満々で轢いた。
彼女は絶句して震えながら俺を見ていたがお構いなし。
爺さんの姿が見えなくなるのを確認した俺は、彼女に優しくキスをしてドライブを続行した。
それ以来あの爺さんを見るという噂はなくなった。
ちなみに俺はフラれた。
みんなあの爺さんのせいだ。
畜生め。
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