王子

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-----バターーンッッ!!!! 「行ってきまーすッッ!!!」 扉を衛兵にぶつけ 走って行ったブロンドにブルーの目、そして左の耳に大きな赤の宝石のピアスを着けた少年。 彼こそ、このレイビア王国の王子、天地 志安(テンチ シアン)である。 今日もお決まりの舟遊びへ行くのだ。 「待ちなさい志安ッッ!!」 そう言って出て来たのは王妃であり志安の母の朱音(アカネ)だ。 「大丈夫?ジル…」 と衛兵を気遣いながらも息子を追いかけようとする。 「今日中には帰るよッ!!」 「今日中!?」 「勉強はどうするの!?」 「帰ってからする!!!」 一般家庭の日常会話がしばらく繰り広げられた後 母の願いは虚しく 息子は港へ降りて行ってしまった。
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