王子

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「ぁいたたたあ…」 赤くなった鼻をこすりながら衛兵のジルが立ち上がる。 「またやられたわね…」 「申し訳ございません王妃様…また王子を逃がしてしまいました…」 「次からはドアの開く側に立つようにしなさいょ…??」 「はい…」 ジルはばつの悪そうな顔をして頭を掻く。 「ドアをぶつけられるのはこれで何度目…??」 「……わかりません」 「…こんなヒトにお城の裏口を任せていいのかしら…」 朱音が苦笑いをしながら言った。 「申し訳ございません…」
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