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「おかえり」も
「ただいま」も…
擦れ違う事情に
慣れている。
「別に羨ましくなんて
ないけどね…」。
笑顔を断やした家。
屋根裏から
再生される
不揃いな足音が
浴室から
リピートされる
重過ぎる
金属音に乗って
地下室へ運ばれます…。
呼吸(いき)を殺し
「もう、
おやすみなさい…」。
零れた滴は
夢も見せない…。
「帰れよ!」
「本当は君達が羨ましくて仕方がなかった…」。
倖せな君はいない…
笑顔を絶やした家。
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