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「アルの所に帰るか…」
リュウはそう言い機体に乗り歩き出そうとした。
「リュウ、少し待ってくれないか?」
ショウヨウはリュウを呼び止めた。
「何でだ?」
そう言ってリュウが言うと、ショウヨウは機体の腕を器用に操ってザクからパイロットの惨死体を取り出した。「このパイロットを埋葬させてくれ。」
「埋葬って、お前……」
ショウヨウはリュウと話しながらも機体のもう片方の腕で手頃な場所に穴を掘っていた。
「……あのさ、ショウヨウ」
「なんだ?」
「多分、俺達また人を殺すだろう。それも乱戦になって。今回みたいな単体戦になっても無いと思う、何と無くだけどな。」
「同感だ、俺もそう思う。」
ショウヨウはあっさり同意した。
「ショウヨウ、今後はそういうの出来ない、まぁ多分だけど。」
「分かってる、だから出来る時にしておきたいんだ。」
「最初で最後だ。」
「ああ…」
そう言うショウヨウの声は微かに震えていたかもしれない、顔はコクピットの中にいるため分からないが何かを堪えていると俺は感じた。
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