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いまいちパッとする遊びが思いつかなかったので、二人でアイスを食べることにした。
シロウサギの手を引いて、広場のアイス屋さんにたどり着く。
「シロウサギ、何が食べたい?」
「マイが買ってくれるの?」
「うん!」
頷くと、シロウサギが明るい笑顔になった。
顎に人差し指を当てて悩むこと10秒。
「うんと…じゃあストロベ」
「え、ソフトクリーム?うんうん…美味しいよねぇ」
あれ、シロウサギ…ストロベリーなんて言ってないよね?
言ってないよ?
「ちが」
「ソフトクリーム一つちょうだい!」
カウンターに100円玉を一枚置く。
シロウサギはまたしても涙目で、何かを訴えるように視線を送ってきた。
「あ、そんなに嬉しかった?」
「うぅ…マイの意地悪…」
それでもソフトクリームを受け取るときには、アタシと同じくらい笑顔になっていた。
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木陰のベンチに並んで腰掛ける。
アタシとシロウサギの手には、白いソフトクリームが一本ずつ。
2人で一本を食べようとしていたら、アイス屋さんがサービスでもう一本くれたのだ。
「ん~!幸せ~!」
「わぁ…冷たくておいしいね…」
ニコニコ顔でソフトクリームを舐める、アタシとシロウサギ。
「こんな美味しそうにソフトクリームを舐める人は、世界中でアタシたちだけだよ?」
「あは。マイって…面白いね」
紅い瞳を細めて微笑むシロウサギの口元には白いおひげがついてる。
「んふふ…シロウサギだって面白いよ?ほら、こんなとこにつけちゃって」
人差し指を伸ばして口元についたソフトクリームをすくいとってあげる。
もったいないのでそのまま舐めると、シロウサギの顔がまた赤くなった。
「どしたの?」
「え、あ、んと…ううん何でもないよ」
慌てて首を振るシロウサギ。
ちょっとイタズラ心が芽生える。
「あ、シロウサギ照れてる~」
「え、ちち違うよぉ!?」
面白いくらい動揺するシロウサギ。
うふふ…カワイい!
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