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それを察したのか、お父さんとお母さんも静かになる。
「葉(よう)…それにアナタ、ごめんなさい…。もう一度、返済の方法を考え直しましょう」
「………ああ。」
「お父さん…お母さん……うっ、うう…」
お姉ちゃんが泣いてる…。
でも、仲直り……したのかな?
どうしたの?って声をかけてあげたいけど、何だか今出ていってはいけない気がした。
これはきっとアタシが聞いちゃいけない、秘密の話なんだ。
だからこんな夜中に話している。
アタシはお姉ちゃんのすすり泣く声に背を向けると、そっと自分の部屋へ戻った。
ベッドに潜り込んで眠りに落ちるまで、お姉ちゃんの悲しそうな声が、頭から離れなかった。
8月1日
完
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