プロローグ :眠りの前に:

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▼ 「アタシ、シロウサギに会えて、本当に良かった」 膝の上で、安らかな表情で眠るシロウサギは、もう何も答えない。 だって、シロウサギはもう死んでいるから。 そして……アタシももうすぐ死ぬ。 お腹からどんどん血が出てくる。 痛い。 とても痛い。 でも… 「でも、全然怖くないよ。だって、アタシとシロウサギはずっと一緒なんだもん」 真っ白なシロウサギの顔を、そっと撫でる。 柔らかくて白い肌は、死んだ今も変わらない。 この夏休みは、本当に楽しかったね。 だんだんシロウサギの顔がぼやけてきた。 眠い。 すごく眠い。 だから、寝ちゃう前に、話しておこう。 眠ったら、お話できないからね。 「ね、シロウサギ。今度は何して遊ぼうか……?」  
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