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「もう夏休みの4分の1が終わっちゃったよぉ……まだ宿題なんにもしてないのに…」
太陽がジリジリと照りつけるアスファルトの坂を下って行く。
ぺちぺちと、アタシが歩くのに合わせてビーチサンダルが歌う。
「暑いなぁ…暑いよぉ…」
肩に背負ったプールバッグがやけに重く感じる。
せっかく市民プールへ泳ぎに行ってきたのに、アタシの顔は汗だくだった。
「こんなときはアイスクリームが食べたい…ううん、食べなきゃダメなんだよ!」
そう結論づけ、ポケットの中を探る。
お財布の中にはお姉ちゃんからもらった100円玉がまだ2枚あった。
あそこの公園のアイス屋さんのソフトクリームはひとつ100円だったから、これなら二本も食べられる!
アタシは嬉しくなってスキップしながら坂を一気に下って行った。
…自分の足に躓いて、坂の途中で思いっきり転んだ。
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