8月3日

20/25
前へ
/197ページ
次へ
サイズの合わなかったお姉ちゃんのおさがりのワンピースが、確か2~3枚入っているのだ。 「ま、マイの服!?」 何故か頬を桜色に染めてうつむいてしまうシロウサギ。 困ったような、恥ずかしいような表情を浮かべている。 …なんでだろ? 「あ、シロウサギが今着ているのとほとんど同じタイプだから平気だよ?ほら、着替えは持っていってあげるから、先に入ってきて!」 「う……うん…。」 しぶしぶ、といった動作でバスルームへ入り、ドアを閉めるシロウサギ。 …何をそんなに恥ずかしがってるのかな? アタシは首を傾げながら、タンスの引き出しを開けた。 中には綺麗に折り畳まれた白い生地の服が3枚…全部同じもの。 シロウサギの着ているようなワンピースタイプの服だが、フリフリのリボンやレースがたくさんついていて、どちらかといえばドレスのような感じ。 アタシが着ると、肩の紐がずり落ちてしまうので、もしも服を汚したりしたときの予備として、ここに置いていたのだ。 「これを…シロウサギが着たら…」 ゴクリと唾を飲み込む。 フリフリの服を身に着けて微笑む彼女。 スカートの裾を軽く摘み、真っ赤になりながらも、潤んだ瞳で上目遣いにアタシの方を見る。 う…鼻血が…… ブンブン首を振って危険な妄想を抹消し、服を一枚ひっつかんでバスルームへ向かった。 ガラガラとドアを開けると、シャワーの流れる水音がする。 アタシは浴室のドアを軽くノックする。 「ここに着替え置いとくね!」
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

372人が本棚に入れています
本棚に追加