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「だからアタシ光とか暗いとかよくわかんないの!もう…友達になるのに必要なのは相手が好きか嫌いかだけ!アタシはアナタが好きだからいいの!」
女の子の白い頬が、リンゴみたいに真っ赤になった。
アタシは無理矢理そのコの手を握る。
小さくて真っ白だけど、すごくあったかかった。
「ほら、握手。これでアタシ達は友達!」
「…握手をすると…トモダチなの?」
「そうだよ(…ついさっきから)。あ、アナタ名前は?」
女の子はポーッとしながら、消え入るように呟いた。
「…………白己卯(びゃこう)。」
びゃこう?
女の子なのに?
なんか可愛くないから却下。
なんかいい名前は…と、彼女の顔を見る。
髪や肌、ワンピースは真っ白で、瞳だけはすごく綺麗な紅、だから……。
アタマの中に、長い耳をして人参をくわえた白い動物が思い浮かぶ。
「じゃあよろしくね、シロウサギ!」
はい決定。
「え、シロウサギ、って…ボクは白己卯だって…」
「シロウサギの方がカワイいじゃん!」
「…自己紹介の意味がないよぉ!」
「なぁに、聞こえない。全然聞こえなぁい」
指で耳に栓をした。
涙目で抗議する彼女が、アタシのスカートの裾を引っ張っるけど無視。
「さて、シロウサギ。早速遊ぼうよ!何する?セミ取り?秘密基地作り?」
ガックリうなだれながらも、シロウサギはどこか嬉しそうな表情をしていた…。
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