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「もうイヤ…何で私がこんな目に遭わなくちゃいけないのよ!」
泣き叫ぶお母さん。
どうしていいか分からないアタシに、お姉ちゃんが話しかけてくる。
「舞…とりあえず、自分の部屋に戻ってよ?」
「うん…。」
アタシは素直に頷いて部屋へ向かって、バタンとドアを閉めた。
時計の音だけが聞こえる、静かな部屋。
枕元にあったウサギのぬいぐるみを、そっと抱きしめる。
さっきまでの楽しかった気分は、燃えてしまった花火のようにすっかり消えていた。
ふわふわしたお気に入りのぬいぐるみなのに、アタシの気分はちっとも晴れない。
「こんなつまんない気分、シロウサギがいてくれたら絶対にならないのに……。」
腕の中のふわふわに顔を埋める。
モヤモヤした気持ちのまま、アタシは深い眠りに落ちていった………。
8月19日
完
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