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十並市の外れの山にある八上神社。
莫大な敷地を誇るこの神社では、年末年始とこの夏祭り、ほぼ全ての市内の人間達で賑わう。
太鼓や笛の音色、様々な種類の香ばしい香り、そして人々のざわめきに溢れる八上神社の境内。
倉岡舞とシロウサギはそこにいた。
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「うわぁ…スゴい…」
あまりにも賑やかなお祭りの光景に、息をのむシロウサギ。
提灯の灯りのせいではなく、彼の瞳は本当にキラキラと輝いていた。
「ふふ‥この程度で驚いてもらっては困るぞシロウサギ君!」
アタシは浴衣が乱れないように気をつけながら、偉そうに腕を組んだ。
「見よ、この出店の数々を!」
バッと腕を広げる。
左右にはこれでもかというくらい、様々な出店がギッシリと列をつくっていた。
「りんごあめ、やきそば、たこ焼き、かき氷、フランクフルト、お好み焼き、唐揚げ、わたあめ、焼きトウモロコシ……ぅじゅる」
「マイが言うのは食べ物屋さんだけ…ってわあ!口からよだれがダラダラ溢れてるよ!?」
「じゅる…シロウサギ、早く何か食べよ!お姉ちゃんから授かりしこの資金で…いざゆかん聖地へ!」
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