8月24日

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十並市の外れの山にある八上神社。 莫大な敷地を誇るこの神社では、年末年始とこの夏祭り、ほぼ全ての市内の人間達で賑わう。 太鼓や笛の音色、様々な種類の香ばしい香り、そして人々のざわめきに溢れる八上神社の境内。 倉岡舞とシロウサギはそこにいた。 ▼ 「うわぁ…スゴい…」 あまりにも賑やかなお祭りの光景に、息をのむシロウサギ。 提灯の灯りのせいではなく、彼の瞳は本当にキラキラと輝いていた。 「ふふ‥この程度で驚いてもらっては困るぞシロウサギ君!」 アタシは浴衣が乱れないように気をつけながら、偉そうに腕を組んだ。 「見よ、この出店の数々を!」 バッと腕を広げる。 左右にはこれでもかというくらい、様々な出店がギッシリと列をつくっていた。 「りんごあめ、やきそば、たこ焼き、かき氷、フランクフルト、お好み焼き、唐揚げ、わたあめ、焼きトウモロコシ……ぅじゅる」 「マイが言うのは食べ物屋さんだけ…ってわあ!口からよだれがダラダラ溢れてるよ!?」 「じゅる…シロウサギ、早く何か食べよ!お姉ちゃんから授かりしこの資金で…いざゆかん聖地へ!」
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