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それから、少したつと、本部から刑事さんが沢山来て、私が話してリュウはうなずいた。
「長くとどめて悪かったね。君達の証言が必要になったら連絡するから。」
新米なのだと言う、若い刑事さんは、笑ってそう言った。
私達は礼をし、交番から出た。
「………未来チャン。」
あれからずっと黙っていたリュウが私の名をよんだ。
「なんだ?」
私は出来るだけ優しく答えた。
「手ぇ……繋いでぇ?」
泣きそうな顔と声。何となく、繋いであげないといけない様な気がした。
「ん。」
私は差し出された手を握った。
「ふぅ……ありがと…。」
リュウは安心したような声を出した。
「ま、良いって事よ…」
なんて言ってみたが、内心、手を繋ぐことで安心を得ようとしている自分がいる事にも気付いていた。
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