1057人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
「……先崎未来から、何を貰ったんですか?」
今日司郎が俺の手の中を覗き込んできた。
反射的に隠す。
「………城崎依…?」
俺は今日司郎に背を向け、握り込んだ物を見た。
「………フッ……。」
「……城崎依……私にも見せて下さいよ。」
今日司郎が後ろから抱き付いてきた。
「ほらよ……珍しいなぁ、今日司郎が抱き付くとか……。」
今日司郎はそれをみて、一瞬眉をひそめたが、すぐに微笑った。
「私だってスキンシップをないがしろにしたりはしませんよ。……彼女もそのようですが…。」
………俺の手には、駅前で貰えるような、英会話塾の宣伝ティッシュが、握られていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!