依と今日司郎のはなし。

9/12

1057人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
「……先崎未来から、何を貰ったんですか?」 今日司郎が俺の手の中を覗き込んできた。 反射的に隠す。 「………城崎依…?」 俺は今日司郎に背を向け、握り込んだ物を見た。 「………フッ……。」 「……城崎依……私にも見せて下さいよ。」 今日司郎が後ろから抱き付いてきた。 「ほらよ……珍しいなぁ、今日司郎が抱き付くとか……。」 今日司郎はそれをみて、一瞬眉をひそめたが、すぐに微笑った。 「私だってスキンシップをないがしろにしたりはしませんよ。……彼女もそのようですが…。」 ………俺の手には、駅前で貰えるような、英会話塾の宣伝ティッシュが、握られていた。 .
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1057人が本棚に入れています
本棚に追加