見えない会社

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「健太君、今の話でどこがわからなかったですか?」 「エミさんと竜さんが瞬間移動ができるのは…わかりました。 なんでここは他の人から見えないんですか? それと助けてもらう人はどうやって決めるんですか? 「質問づめですね…」 「す…すいません。」 「いいえ。謝らなくてもいいのです。まず、ほかの人から見えないのは、私が魔法で消しているからです。 私は“消える”という魔法しかできませんがね。それで見えなくしてるわけですよ。ここを…。 さらに、助ける人を決めるのは私が世界…まぁ、ここの地域だけですが。 いじめられている人・助けてほしい人など、実際には出していなくても聞こえてくる声があるんです。 そういう声を集めて、エミさんにその声の人達を助けろという指示をし、人々を助けています。」 竜が言うと健太は納得したが、驚いている。 「竜さんは…魔法の人なの?エミさんも」 「私は瞬間移動しかできないから、よくわからない。」 竜がエミを見た。だんだん竜の顔が変わっていった。 「俺は小さい時の記憶が…ありません。しかし、今俺の耳につけてあるイヤリングは・・・。」 竜は一瞬、このつけてあるイヤリングをくれた美人の女を見た。 とてもあたたかい人で、小さい時の竜に笑顔で渡している。 「竜さん…?」 「はっ・・。すいませんね。このイヤリングのおかげでここを見えなくしたり、声を聞いたりとできます。 なので、魔法の人ではないかもしれません。」 「そ…そうなんだ。凄いよ。2人とも」 「まぁ、今回は健太が助けを求めたって事で仕事をしているけどな。」 ただ竜だけはどこか遠くを見ているように目線を同じところから離さなかった。 その後、竜は自分の部屋に戻って、ずっとベットに寝て天井を見ていたとさ。 エミはいつもと違う竜に気付いていたが、健太を外に連れて行き、その場でわかれた。
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