消えた声

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「さぁね…。明日にでも聞いてみたらどうです?」 「…そうだな。」 エミはその後何か考えているのか黙っていた。 次の日、学校へエミが行き、剣をいつものところに置くと下駄箱に行った。 「来たわ・・・。」 義美と晴海と麻莉子がエミが来た事を知り笑っている。 実はまた、くつに画鋲を入れてたのである。 「フフ…これは見物だわ。」 そう小さな声がする中、エミがくつをはく。 だが何も反応しなく教室へ入って行った。 3人は首を傾げていた。 「どういうこと?健太は今日学校に来ないはずよ。 これからもね…。なのに、なぜ画鋲が入ってないのかしら?」 「準一がしくじったってわけではないの?」 麻莉子が言うと、義美が考えこむ。 「そんなわけないわ。だって、昨日準一とやった時に成功したと言ってたし。」 「じゃ…一体誰が?」 「…健太の他にエミの味方している奴がいるってことね」 3人はくやしい顔をして、何処かに行った。 「なぁ・・・健太今日見なかったか?」 エミが雄太に言った。 「見てない。あいつ…いや、何でもない。」 「何だ?」 「あいつ、多分もう学校に来ないんじゃないか?」 「・・・どういうことだ?」 実は雄太は朝の3人の話を聞いていた。 画鋲を取ったのも雄太だった。 雄太はエミに話した。 「また、あいつか…。しかし健太は、前の健太ではないはずだ。きっと来る。」 「確かに、前の健太と違っていたな。」 (でも…エミはまだ気付いてないんだな。 健太を学校に来させないようにした準一。そして・・さらに上で操っている、あいつの本性を。) 雄太は笑っている義美を見た。
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