消えた声

9/9
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
次の日もまた次の日も雄太の言う通り、健太は学校には来なかった。 「竜さん、今回は私のやり方が悪かった。 もうちょっと見てれば…」 エミが竜に言うと竜はイスに座って、コーヒーを飲んでいる。 「…エミさんはよくやりました。 けど、今回のお金に関しては半分出しますね。」 エミは驚いたような顔をする。 「竜さん…しかし、健太を助けないで終わったから、お金は0円なはずじゃ?」 「いえ。エミさんは全く助けなかったというわけではないし、声が消えたという意味はエミさんはわかりますよね? けして…死んだとかの意味ではないですよ。」 エミは黙っている。 「どうやら…忘れたみたいですね。 もし、健太君が死んだら特殊な声が聞こえてくるけど、今回の声が消えた時は特殊な声はなかった。 っという事は、健太君は無事で何があったかわからないが、自分で立っていこうとしてるって事。 つまり…前にエミさんが言った、もう助けなどいらないって意味だ。 だから今回は設定金額より半分あげるということさ。 わかりましたか?エミさん」 「あぁ…。そうか、わかった」 エミが言うと竜はお金をあげた。 その後、エミは学校に来ない健太が気になっていた。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!