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朝、学校に行く雄太の後にエミが少し距離をおいて追っていた。
(だいたい…借金している人まで助けなくてもいいだろ。
金を返せなくなるほど、借りる方が悪い。私に何しろって言うんだ。竜さんは…。)
「あの、お前がエミか?」
突然見知らぬ男が話かけてきた。
その男は、帽子と黒いサングラスと黒いマスクをしていて全身が黒い男だった。
いかにもあやしい奴である。
「…お前?なれなれしいな。」
そう言ってエミは行こうとする。するとエミの腕をつかむ。
「エミなんだな。」
「離せ。これ以上話しかけると斬るぞ」
「やってみろ」
「ほう。いい度胸だな」
エミは剣を抜こうとすると、それを見ていた雄太が止めようと行こうとしたがエミを止めたのは別の人だった。
「…なんと!エミさん、こんなところで会うとは奇遇ですね。どうしたんですか?」
「竜さん!」
「・・・竜?」
そうあやしい男がつぶやくと走って行ってしまった。
「今のは知り合いですか?」
「知り合いじゃない。何か私の名前知っていたし、あやしいから斬ようと思ったんだ」
「そうだったんですか。でも、ここは人間界ですから、人を斬らない方がいいですよ。剣を持っていても」
「…人間界?」
エミが言うと竜は焦った。
「いえ、それより…エミさんは早く学校に行ってください。」
「あっ!そうだった」
そしてエミは行く。
雄太は2人の会話を聞いていなかったが、様子を見てエミが行くと急いで学校へ行くのだった。
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