新しい仲間

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放課後、麻莉子がいつものように雄太といた。今日は教室で2人っきりだった。 (くそ…。何でこいつと2人っきりなんだよ。 義美のやつ、わざと俺達2人っきりにさせやがって。) 「雄太君、まさか貴方じゃないわよね?」 「何が?」 「エミの味方をしている人よ。」 「俺は…知らない。それに知っていても、もう話すか。」 「じゃ…これでも?」 そう言うと麻莉子が近付いてきて、服をぬごうとする。 雄太はあわてて後ろを向く。すると、窓の外に一人の男性の周りにチンピラ共が集まっているのを見た。 「お父さん…」 どうやら雄太のお父さんらしい。 そこに通りかかったエミが見て、何処かに行ってしまった。 (エミ…) エミを見ていた雄太に、麻莉子は腹が立ったのか、抱きついた。 「や…やめろ」 「何でよ…雄太君は誰にも渡さない。 私知ってるの。雄太君はエミの事好きなんでしょ?」 雄太は黙る。 「…だったらなぜ、俺につきまとうんだよ! お前は、他の男だってたくさんいるんだろ。 そいつとやったらいいじゃんか。もう俺にこんな事するんじゃねぇ」 そう言うと麻莉子は雄太から離れる。 「ホントだよ…」 「は?」 「エミが来てから…変わる人が増えた。 だけど…私、あんたの事…」 麻莉子はそう残したまま教室から出て行く。 その後、雄太は暫く教室にいた。
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