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ガラッ
「先生!!」
「北島くんに、有沢くんに深見くん、ど…どうしたの!?」
「安川先生、北島が怪我を…」
「そこに座らせて」
「……ッ」
『……ごめん…かなちゃんね…グスッ…』
僕は、かなちゃんの隣に行き泣きながら謝る
「もう良いから~、な?泣くなよ?」
『僕……がッ…かなちゃんに…怪我をさせたんだ…よ……僕が…悪いんだ…』
フワッ…
僕の頭をかなちゃんは優しく撫でる
「まぁちゃんのせいじゃねぇーよ!!気にすんなって!!」
『…かなちゃん…』
かなちゃんが笑った顔は落ち着く
「傷口はそんなに深くないから大丈夫だが、一応病院に行く必要がある」
「二人は教室に戻りなさい、北島くんの事は担任に言っとくから」
「「はい…」」
バタン……
「心配すんな、北島だって大丈夫って言ってたしな」
『う…うん…』
大丈夫って言ってたけど…やっぱり…心配だよ…
ギュッ…
『!!?』
「こうすれば、安心出来るって母さんが言ってた」
「正樹は自分のせいにし過ぎなんだよ」
『………』
僕の手をギュッと強く握る
「北島は大丈夫だって、だから正樹悲しい顔すんなよ」
高貴くんは手を離し僕を優しく抱き締める
『……高貴くん…』
「…………」
僕は“ありがとう”とソッと呟き抱き締め返す
僕は、小さい頃からそうだった
なんでも相手が傷ついたら直ぐ自分のせいにしてきた
相手に嫌われるんじゃないか?
怒られるんじゃないか?
そんな不安が何時も僕に襲いかかってきた
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