癌と闘う、お父さんへ

1/1
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ

癌と闘う、お父さんへ

お父さんが手術室に消えるその瞬間も、 目覚めて最初に会う瞬間も、 笑顔でいたかったのに。 あたしが、 泣き顔だったのは。 あたしの身体の半分が、 あなたで出来ていて、 あなたの痛みを、恐怖を、決意を感じたからなのかな。 あたしなあなたの娘なのだと、 こんなに強く感じたことはなかったよ。 長い手術だったね。 負けなかったね。 ねぇ、お父さん。 生きててくれて、ありがとう。 あなたが息をして、 心臓を動かしているだけで、 ただ、そこにいるだけで。 あたしは、例えようもないくらい、 支えられてるよ。 だから、家族で頑張ろう。 一緒に、生きよう。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!