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どのくらいの時間が経ったのだろう? 俺とB君はじっと木にぶらさがっていた。 それから一時間後。 「やっと終わったね」 B君が言った。 「そうだね。ずっと木にくっついていたから手足が痛いよ」 「僕も」 俺とB君は、手足をマッサージした。 痺れもとれてきたので 「さぁーて。行きますか」 と僕は言った。 「そうだな。へまして落ちるんじゃねぇよ」 笑いながらB君が僕に言った。 「それは、お前だろ」 僕は軽いツッコミをいれた。 「それじゃあ行くぞ」 俺は翼を広げ大きく振った。 ふわ。と簡単に浮かんだ。 これが飛ぶて事なんだ。 なんて気持ちの良いものなのだろう。 僕が幸せに浸っている時、後ろから 「ちょっと待ってくれ」 と、B君の呼び声が聞こえた。 見ると、ぎこちなく羽を動かしてB君がいた。 なんとか僕に追い付いたB君は 「早いよ」 と僕に言った。 僕は 「ごめん、ごめん」 と言いながら、少しスピードを遅くして並んでゆっくりと飛んだ。 しばらく飛んでいると、下の方から 「やった。捕まえたぞ」 と子供たちの声が聞こえた。 僕は、始めて見る人間に興味をもち近くで見てみることにした。 「お、おい。どこいくんだよ」 B君が僕に言った。 「ちょつと見てくる」 とB君に言った。 「ちょっと待てよ」 慌ててB君が僕の後についてくる。 俺とB君は、子供たちの近くの木に停まり、その光景を眺めていた。 少年が 「やったね」 と虫かごを友達に見せびらかしていた。 「おい。あれ」 B君が虫かごを指を差した。 「ああ…みむだ」 僕達を助けてくれたみむが、人間に捕まっていたのだ。 僕達は静かにその光景を眺めていた。 しばらくして、少年の一人が 「じゃあ、もう暗くなってきたし帰ろうぜ」 と、言って少年達はそれぞれの家に帰って行った。 「それじゃあ行きますか」 俺にB君に言った。 「行くって…みむを見捨てるのかよ」 俺は怒りながらB君に言った。 「誰が見捨てるなんて言った?助けに行くに決まってんだろ」 ウインクしながらB君は言った。 俺はB君がすごく好きになれそうだ。 僕は、嬉しさをかみしめ 「よし。俺たちでなんとかみむを助けよう」 と言った。 こうして、男たちの みむ奪還作戦が決行した。
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