Moon iris

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森の中の、一軒のログハウス そこを目指して、一人の少年が、走っていた 年は5,6歳程度 小さな足で勢いよく草を蹴る ようやくドアの前にたどり着くと、ドアはゆっくりと開いた 「久しぶりだね」 声と同時に、中から老人が現れる 「おじいちゃん、こんにちわ」 少年の、まだあどけない声 「さ、お上がり」 老人は、目を細めて、少年を招き入れた そしてドアを閉めると、自分もゆっくりと歩き、部屋の中央にある揺り椅子に腰掛けた 間発入れずに、少年がその膝に飛び乗った 「おじいちゃん、今日はどんなお話をしてくれるの?」 「そうじゃな…」 老人は、暫く視線を宙に浮かせてから、少年の目を、しっかりと覗き込む 「今日は、ある女の子の話だよ」 老人の視線に気押されながら、少年は頷いた
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