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紅羽「ところでまた派手にやられてるけどびしょびしょでこんな所にどうしたわけ??」
隣に座るボクを見ながら首を傾げる先輩。
「クラスの女の子が親切に水をくれました。」
笑顔で言ってみれば“ぶっ”と吹き出す紅羽先輩。
いや、そんな吹き出すようなこと言ったのかなボクは。
「それ、ほんと親切だな!ま、もっとエスカレートとかしたら俺に言いな?…流石に女には手出せないが男になら倍以上で返して来てやる。」
先輩はクスクス笑いながら言っていて、僕も自然と笑みが溢れた。
こんなに暖かな気持ちになるのは久しぶりな気がする。
先輩や凪ちゃんと一緒ならこの生活も壊れずに耐えられる気がした……。
「ありがと、流石“先輩”だね。」
先ほどの笑顔とは別に無表情棒読みで言うと先輩は“俺のこと信頼してねぇだろ!”とふざけながらに返してくれました。
――いつかまたこの日溜まりにボクの物語の一つが刻まれればいい―――……。
第二章…End.
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