退院まで

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私が鬱状態であっても彼は子供たちを連れてお見舞いに来てくれた。 私の大好物の"茎わかめ"を持って。 しかし私がそれに手を伸ばしても何かが邪魔をする。 私は病院食も食べる気にならず、ついには点滴で栄養を送る事になった。 担当医がブドウ糖やらなんやら言っていたが、私は上の空だった。 後で悪い事をしたな、と思っても結局謝る事が出来ないでいた。 優斗や隼人、彼の問い掛けにも 「うん」 「そうだね」 しか答えられなかった。 自分の事で精一杯だった。 そんな自分に嫌気がさしてしょうがない。 せめて自分の子供だけでも通常である自分の姿を見せたい。 躁鬱病さえ治ってくれれば…なんて淡い期待を持つこともある。 まさに今がそうだ。
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