第三話<祭り>

2/2
前へ
/92ページ
次へ
(今までずっと何不自由なく暮らして来て、幸せな毎日を過ごしてきた。 それなのに…両親は死んだ? 信じられる筈がない。 もしかしてさっきの女は……大切な人をその祭りで失ったのか…?) 「あなたまだいたの?」 さっきの少女が言う。 「え……?」 「早く帰れって言ったでしょ?」 「納得いかねぇよ!! 親が死んだって言われて何も知らずに帰れるかよ!!」 「そう……あなたも殺されちゃったんだ……」 「え……? 殺されたって……」 「あの墓を見てあなたは何も分からなかったの?」 「…………そんな……」 (この村ではあの墓の数だけ人が死んでる……? しかも殺されてる…?……訳分かんねぇ……この村は……マジでイカれてるのか……?) 「祭り開催はあと二週間……それまでに逃げる事ね。」 そう言って少女は行ってしまった。 拓哉は震えが止まらなかった。 「この村で……一体何が起こってるんだ……。」 拓哉はその場にしゃがみこんだ。 祭り開催まで……あと二週間……
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加