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明るい部屋。
きらびやかすぎて入りたくもないそこ。
中に待つのがまがまがしいものだと知っているからこそ入るのに躊躇してしまう。
「よくきたわね」
自身で呼んだくせにその女はそういって嫌な笑いを浮かべた。蝋人形のような冷たい笑い。いや、蝋人形の方が熱で溶けるだけましだろう。女の面は自尊心に塗り固められ火であぶろうが金槌で叩こうが壊れやしない。ましてや人の言葉などで崩れるお優しい心すら持ち合わせていないだろう。
「何かようですか?」
極力女の目を見ずに聞いた。
見れば、メデューサににらまれた人間のように石になってしまうのではないかという懸念があったからだ。それが思い過ごしだと言うことぐらいわかっていたが、そうするほかなかった。
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