5676人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、あんたの血は毒で俺たち吸血鬼には、耐えがたいものなの。まぁ、あんたの血が俺たちに合わないってだけだけど。」
「……、どうして?」
なぜ毒なのかわからず、問い返す。
「さぁ、たまにいるんだよ。あんたみたいなの。口に合わないどころか、俺たちを死に至らしめる人間。蓮木はそれに目を付けたんだな。なぁ、聞いていいか?」
まじめな顔をして身を乗り出してきた藤森の綺麗な顔にびくりとする。
「な、何?」
「あんた、死んでねぇよな?」
は?
吸血鬼に何故死んでるなんかいわれなきゃいけないんだ?
「ふっざぁけんな!誰が死んで見える!」
「まぁまぁ、落ち着けよ。」
「落ち着けるか!誘拐されて、連れてこられたと思ったら、訳の分からん話されて、しまいにゃ、人を死人扱いだ。それに、私は茜だ!」
とりあえず叫ぶと、一息付いた。
「茜、か。茜、意外に凶暴なんだな。ギャップあるって言われないか?」
笑っている藤森をみて殴りたい衝動に駆られたが、やめた。これ以上面倒くさいことに巻き込まれたく無かったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!