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自身で言わせたくせに、その整った顔に言われると妙に恥ずかしい。
「話はそれだけなら私は帰る!」
そう言って勢いよく立ち上がると、ドアへ向かう。半分は、本気で半分は赤面した顔を隠すためだ。
それを制したのは、超能力とほざいた声だった。
「気が短い!待てよ。話はまだ始まったばかりだぞ。」
「その声どうにかならないのか?うざったくてかなわない。」
茜は振り向いて悪態を吐く。
「しょうがないだろ。どうも茜はチャームにかかりやすいみたいだな。」
「チャーム?」
「まぁ、いずれわかる。」
「いずれってどういうことだ。」
聞き返した茜に、藤森はふっと笑う。
「一緒に住めば嫌がおうでも知るさ。俺たち、藤森の吸血鬼を、な。」
ようこそ藤森へ。なんてよくその口からはけたもんだ。
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