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南の話を忘れていたわけじゃない。どちらとも同じことをいって、あの両親が怪しまないはずがないのだ。
「お前はどちらが怪しいと思う?」
「お前だ」
即答した茜に苦笑いをした藤森は、自信満々に言ったもんだ。
「“俺は、常に正しい”正論だろ?」
「もう、聞かないことにする」
「そうしろ」
あきれてものがいえない。
「隣は?」
「いない。寂しいなら添い寝してやるぞ。もちろん、オプション付きで」
「……、いきさつぐらいはいつか説明しろ。今はこれで納得してやる」
「落ち着いたらな」
そう言って三日。確かに落ち着いたが……。
ここは何処だ?目の前にある豪奢すぎるほどの豪邸はなんだ?この警備員か、スワットかわからない黒服は?
大体ここは、どこなんだ?
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