藤森一族?

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つまりというのもおかしいのかもしれないのだけれど、やっぱりここは悪の吸血鬼の巣窟?なんですね。 一歩踏み入れた屋敷は、予想以上に豪華で、茜はすくんでしまった。 「どうした、入れよ。」 あまりに豪華すぎるそこに後込みしていると、一真が手を差し出す。 ふと、この中に、藤森の家族がいるのだと考えて、疑問が浮かんだ。つたない吸血鬼に対する知識がその質問をせざるおえなかった理由でもあるが。 「あんたの家族って本物?」 茜は差し出された手を叩くと言った。心外だと言わんばかりの一真は、一つため息を吐く。 「血のつながりと言うならイエスだな。まぁ会えばわかるし、なぜ血の繋がりがあるのかもわかる。それよりだ、あんたじゃなくて、一真と呼べ。大体あんたなんて呼ぶ恋人(おんな)はいないぞ?」 叩いた手は、いとも簡単に止められて、一真に握られた。
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