5676人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
こちらを向いてかすかに笑うと、一真は広い廊下を歩きだした。
く、なんて恥ずかしい光景だ。そして恥ずかしい台詞をぬけぬけという奴が隣をきらびやかにあるいている。
ていいますか、何でこいつと慣れ親しんでるんだ?
横を歩くのは、超のつく美形だ。黒髪は本来の色だが、それはもう芸術的に美しい。顔の造形なんて神が作り出したとしか言いようがないし、まれに見る長身でありながら筋肉との均衡がとれておりばかでかくはみえない。そんな奴が吸血鬼というのは皮肉かもしれない。しかし、まだ三日しか一真といないが吸血鬼と主張はしたもののそれらしい行為は目にしていない。見つからないようにしているのだとしても、茜を気遣うのか三日間ほとんど付きっきりであったから、その隙も微々たるものだろう。
最初のコメントを投稿しよう!