藤森一族?

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空は、ボーイッシュだ。いや、悪く言えば、紹介されるまで、男だと思ってた。無論、美形がつくのは確かだが、ここまでくるとすばらしい。 「聞き捨てならないが、私も賛成。茜さんが“あれ”なら、嫁に迎えるべきだ。私としては普通の妹がほしかったところだし、晴なんか、惚れそうな勢いだぞ。一、とられないようにな。」 しゃべり方も男っぽい空は、冷たい印象とは裏腹に、優しくいった。 二人の言ったあれという言葉に非常にまずいという顔をしたのは一真で、だがそれを聞かれまいと極上の笑顔をしたままだった。 「まぁまぁ、二人とも、いきなりそんなことを言われても茜さんもわからないわ。食事が終わってから詳しく話しましょ。」 母弥生が割って入ると万丈一致で箸を進めた。 それから、食事中に茜が質問することもなく、誰かが何かを説明することもなく、他愛もない会話で食事は進んでいった。
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