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「まぁ、見てくれは。」
本音を言った。嘘ではない。数日見てきたけれどもまだ見慣れない。
「まぁ、確かに。一にいもだけど私たち、人が好きなのよ。殺したいって思ったことはない。でも、血に飢えるの。矛盾してるよね。」
雪は言葉を切ると苦笑いをした。それが、本当に辛いのだなというのが良くわかる。例え姿形は同じであっても、中身は違うのだ。でも相いれたいと。
「怖い?」
茜は正直に首を横に振った。何処に怖がる必要があるのだろう……。
「藤森一家は怖くありませんよ。」
「本当?」
懇願するように聞くのは彼女の癖なのか、はたまた喜びが故なのか。
「ええ。」
「じゃあ一にいと結婚してください!」
唐突な申し出にあっけにとられる。
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