藤森一族?

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「年とらないの?」 脈絡もない質問だったが場を和ませるには十分だった。いや、和ませたというよりさっきの話を少しでも忘れたかったのかもしれない。 「取るよ。私は実年齢だし。一にいはもう老けないかもだけど。でも、何百年何千年は生きないよ。少し長生きするだけ。不老不死なんかじゃないよ。死にもするし、怪我だってする。茜さんの血は、毒だし、落ち込んだりもする」 冗談を交えた雪は浮上したように見えた。 「てっきり、一真はもっといってると思った。老けてるわけじゃないけど……手慣れてるみたいな」 雪は酷いと笑うと立ち上がった。 「あんまり、長居すると、一にいに怒られるから、帰るね。でも……、」 これだけは教えておくよと雪が耳打ちをする。
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