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「ん?抵抗なし?」
極上の笑みで見下ろす彼は、恐ろしいぐらいに妖艶であった。
「だ!その言葉の力どうにかしろ!」
「ああ、でも特別力なんて使ってねぇぜ?」
そんなはずはない。現に体は動かないし、不整脈だって……。
「な、なん?大体、私の血は毒なんだろ?吸うとか可笑しいだろう!」
必死に声で抵抗するが体に力は入らない。特に、一真は何もしてないと言うが嘘だ。
「さぁ、毒だと聞くと飲んでみたくなるのさ。」
本気か?うそだろう?と目で訴えるが、近づく顔にあがなえない。長すぎる睫も、通った鼻も、綺麗すぎて見とれてしまう。
すっと降りてきた顔は、首筋を辿る。ひんやりとした冷たさに思わず声を張り上げてしまった。
「ぎゃ!」
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