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言い切った茜は息を整えようとするがなかなか整わない。綺麗すぎる顔が近づいて初めてでないにせよ、口づけられた。
相手は、三日前にあった吸血鬼(自称)だというのに茜は恐怖すら感じない。おかしくはない。彼が吸血鬼だろうがなかろうが、いいやつなのだから。
だからむしろ、心地よいと感じてしまった。
それはたぶん感じてはいけない感情だ。確信は、頭のなかで、反射的に否定されていて、それが何の感情なのかは定かではない。だが、茜は惚れない。
「悪かったよ。落ち込むなって、純血奪った訳じゃねぇだろ?」
「純血言うな!」
「その意気だよ。雪に何吹き込まれたかしらんが、気にするな。吸血鬼になれ合ってもいいことはない。」
少し悲しげな表情をする。しかしそれはすぐに、普段のいやそれが普段の一真かは分からないのだがそれに戻った。
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