あんにんどーふ

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デンバーの叫びとともにスプーンによる渾身の一撃! しかし、力が入りすぎたからか狙いがそれ、机を削った。 「チィッ!」舌打ちが響く。完全に相手は油断していた、さっきの一撃が当たれば口に全部とはいかないが少しは入っただろう。 問題はここからだ。 相手は完全にこちらに気付いてしまった、そうやすやすとスプーンを入れさせてはくれないだろう。 デンバーは思考を巡らす。(右から回り込めないだろうか?いや、そんなことをしてみろ、こっちがやられる!) あんにんはこちらを嘲笑うかのように銀のカップに鎮座している。 デンバーは迷っていた、先ほどは迷いなど欠片もなかった、だが、さっきと今では状況がまるで違う。 (右か!左か?敢えて正面突破か?) 相手は動かない、あんにんどーふだから…。 不動の構えをみせている以上こちらがなにをしても意味がない! 状況は絶望的、だがまだチャンスはある! 「なっ!こ、こいつは…!?」 思わず生唾を飲む、全身から冷や汗が吹き出した、 デンバーは見付けてしまったのだ、あんにんの決定的な弱点を!
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