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俺とお弁当
昼休みになり、俺はあの場所に向かうために一人ふらっと教室をでた。
教室を出る際、あいつにちらりと送った視線、友達としゃべっていたあいつはおそらく気付いていない。
他のクラスを越え廊下の端の方、徐々に人が少なくなっていく。
角を曲がると現れるそこは、
教室から遠回りになるので余り使われない東側の階段、そこをのぼる。
もう他の人はいない。
のぼった先、暗い中。
がちゃ、ギギギと重い扉を開ける。
注ぐ眩しい光、流れ込む風の匂い。
たどり着いたのは屋上、普段は人が来ない場所の定番。
人が来ないと定番の割にそれを目的として来る人どうしが鉢合わせしないのはどうしてなのかまったくの謎だ。
まぁ、人に会わないのは逆に好都合だからいいのだが。
そんな事を考えながらも、さらに上を目指して壁の向こう側、日影にあり見えにくい梯子を上る。
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