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…………
「こらぁ!起きなさい!」
「うわぁ!?」
俺は不意にかけられた声にびっくりした。
「もう、ちゃんと待ってなさいよね。」
いや、おまえが遅いからだ。
でも、そんな事は声にださない。
「まぁ、いいわ。…はい、今日の…試作品。」
そういって布に包まれた箱が少し乱暴に渡された。
「おぅ、サンキューな。」
箱を受け取りながら軽く微笑む。
やっぱりご飯を前にすると育ち盛りな男子としては嬉しくなってしまうわけで。
「べ、別にお礼なんて…あ、あたしが料理の練習したいから作ってるだけだって」
「うんうん、そうだったな。」
受け取った包みを解く。
「だ、だからそれだって "試作゙なんだからね!」
「はいはい、分かってる分かってる。」
箸を取り出して蓋を開ける。
「でも…残したら、しょ承知しないわよ!?」
大丈夫、おまえの作ってくれたものを残すかっての。
「まぁ…今回のも美味かったらな?」
そんなあいつに対し、つい俺も意地を張ってしまう。
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