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「いいわ……事実だもの」
悲しげな表情を浮かべて、彼女はそのことを肯定したのだ。
いつもの彼女ではない。
それを悟ったのだろう、成歩堂と真宵は一度顔を見合わせると、もう一度彼女に顔を向けた。
「狩魔検事……元気だしてくださいね」
「また、法廷で会いましょうね……狩魔検事」
二人は会釈をすると、彼女の前から立ち去った。
また強くなった風と雪が彼女の身体と心をさらに凍えさせる。
地面を微かに見えなくするくらいに積もった雪も、無情な程にカップル達の足音を強調させるに過ぎなかった。
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