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キラキラ輝きを放った花瓶に
1本の深紅の薔薇
それはとても美しくて
嫉妬する程可憐で優美な花
私は黒い薔薇
闇に咲き
罪を被り
悲しい旋律を奏でる
同じ薔薇
なのに背負ったものは
あまりに残酷な違い
ねぇ、私も愛されたい
必要とされる赤い薔薇になりたい
醜い嫉妬心が
また私を黒くする
誰にも気付かれず
闇にひっそり佇む
黒い薔薇
ある日思った
赤く染まればいいと
黒を隠してしまえば
美しくなると
血塗られた薔薇
必死で黒を隠し
赤く身にまとった罪の色で
愛されようとした薔薇
なのに誰も愛してくれない
気味悪がられ
遠ざけられ
やがて私は葬られた
なぜ、誰も私を愛してくれないの?
これが私の運命なの?
どんなにがんばっても
醜い黒薔薇は赤い薔薇にはなれないの?
私は黒い薔薇
今も罪に彩られ
答えを見つけられずさ迷っている
永遠の闇に佇む悲しい1本の黒い薔薇
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