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蝶々
羽をもぎとられた蝶々は
もう舞うことはできない
地面にひれ伏し
ただ涙に濡れながら
動かぬ体を揺さぶっている
宙には仲間達が綺麗に踊っている
さっきまで共に飛んでいたのに
嘲笑い、罵り、
自分の羽を見せつける
まるで醜い者を見るかのように
誰からも愛される
綺麗に舞う踊り子たち
醜い虫と化した蝶は
綺麗な羽が無ければ愛されない
静かに息つきるまで
涙の湖に身を沈めながら
あの頃のように
自分が舞う姿を夢に見続ける…
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