12人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
ラファエル
君の名前が思い出せない
確か僕が神の名を取って付けた
雪のような真っ白な身体で
瞳がとても輝いていたから
幼かった僕は君を
とても大切にしてたよ
寄り添ってくる君が愛しくて
毎日名前を呼んで撫でてた
いつからだろう?
僕の目に写らなくなったのは
あんなに大切にしていたのに
放って名前すら呼ばなくなった
気付けば君は汚い身体で
動くこともできなくなってた
記憶にあった姿とかけ離れた
僕が変えてしまった 醜い姿
けれど必死に僕を呼び
動かぬ身体を引きずりながら
すり寄ってくる
―私はここだよ?忘れないで…
そうだったね…ごめんね…
やがて君は星になった
初めて会った時と同じ
あの美しかった姿で
今僕を照らしてくれてる
君の名前は―ラファエル
最初のコメントを投稿しよう!