通夜の前

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通夜の前

泣き叫んでも状況は変わらない… でも泣く事しか俺には出来なかった。 おやじやおかんのあの絶望している顔、今でも忘れられない 悲しんでいようが着々と通夜の準備は進んでいく。俺の弟の通夜? 考える気にもなれない… 放心状態が続いた。 交通事故の内容を聞いた。 5月4日 PM10時過ぎ勇太の部屋から友達と降りて来た。 「今から皆ででかけるからねー」勇太は楽しそうに、おかんも「きおつけてねー♪」と話してから家を出た。 それから直ぐの事だったらしい 友達の車で6人、ワイワイ言いながら国道を走っていた。 友達はもともと、スピードをとばす方だったらしい。この時もいつもの事、国道をとばし社内でそのスリルを楽しみ ワイワイ やっていた。 でも、車はカーブにさしかかりコントロール出来ずにガードレールをこえて高速道路下の鉄柱へと叩きつけられた。 医者は言っていた。即死だったと……… しかも弟だけじゃなく、後部座席に乗っていた同級生3人も亡くなった。 運転手と助手席に座っていた女の子が助かった。 一度に俺の可愛がってたやつ皆亡くした。 皆、いつも遊びに来る子で中学校からの同級生だった。俺の事も「兄貴なにしてんのー?」なんて可愛いやつらだった。
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