勇太との別れ

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火葬場に来たのは初めてだった。 しかも弟の為に… 最期位、あいつが心配しないように俺は溢れる涙をこらえて勇太に最期の話をした。 「勇太ーおやじ おかんや由香 晃平の事は俺が必ず守って行くから、見ていてくれよ。そっちは仲良し四人組でうまくやれよーー。喧嘩すんなよー! たまには俺の前に出てこいよ! お前なら例え幽霊でも、話相手になるぜ! 実の発表会には、絶対来てくれな」 って写真の笑っている勇太に話した。 その時、幻聴なのか夢なのか確かに勇太の声で『バイバイ』って聞こえた。 誰も信じなくてもいい!信じてとも言わない。ただ勇太は最期まで俺達の事、見ていてくれたんだなーってこらえていた涙が一気に溢れでた。でも、あいつの笑った顔が見れたような気がした。 火葬が終り、親族皆で勇太の骨を拾った。 帰りの車の中で、おかんは勇太の事をギュッと力強く抱き締めた。 皆、口にはださなかったけど勇太がんばろーねって心に刻んでいたと思う… …。
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