訓練開始

29/29
68人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
「…私はずっと…此処にいるよ」 「嬉しい事言ってくれるなぁ」 ユキは黙々とカレーを食べ続ける。 「でも、いつか俺と離れなきゃいけない時が来る」 「…なんで?」 ユキはスプーンを置き話を聞く体勢になる。 「ユキの父親…グリードさんが帰って来たらユキはそっちに行くんだ」 「………やだ…グリードは嫌い」 「それでもお父さんだ…家族なんだぞ。リリスさんはどうするんだ」 ユキは黙った。 「だから、それまで俺がちゃんと面倒みるよ、ユキ」 「…うん…ありがと…ロジャー」 ユキはほんのり笑った。 「ほら、口元カレー付いてるぞ」 ロジャーは布巾でユキの口を優しく吹いた。 「////い、いいよ…自分で拭くから//////」 ユキは照れる。 「いいからじっとしてろ」 ロジャーは綺麗にユキの口元を拭く。 「//////あ、ありがと」 ユキは照れを隠すためにカレーを黙々と食べ続け、間食した。 「……ご馳走さま」 「御粗末様」 二人は食器を片付ける。 「今日は疲れただろ、明日は早めに出るからもう寝ろ」 「…ふぁ…うん…おやすみなさい」 ユキは可愛く小さなあくびをして部屋に入った。 ベットに潜り猫の様に丸くなって眠った。 明日はロジャーによるユキの強化訓練が始まる。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!