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その日もまた暑い午後だった。
ボクはいつもの木陰に逃げ込む。
でも今日は『いつも』とは少し違った。
誰?
ボクの場所に誰かが座っている。
ゆっくり近づくと、その『誰か』はボクに気付いた。
男の子だった。
男の子はボクを見るとちょっと驚いたようだった。
ボクは他に行くあてもないので、仕方なく男の子の隣に寝そべった。
「………」
男の子はじっとボクを見つめると
「お腹…空いてない?」
と、ポケットからお菓子を取り出しボクの前へ置いた。
ボクは食べたことのないそのお菓子を一口食べた。ちょっと甘いけど美味しい。
「あは、食べた♪」
男の子は嬉しそうにボクを見て、そしてそっとボクの頭を撫でた。
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