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どうやらタカは僕が帰って来るのを外で待っていたというわけでは無く、洗濯をしているだけのようだった。
「ふぅん…そうか。…そのわりにはずいぶん暗い顔してるじゃねぇか。」
タカは僕の事を見透かしたように、ニヤリ、と笑いながら言ってくる。
「僕の顔が暗いのはいつもの事じゃないか。それとも僕の顔自体に文句をつけてるのかい?」
「くははっ、相変わらず嫌な野郎だな。おっ、そうだ。俺今日バイト休みなんだよ。どっか飲みに行かねーか?」
僕はすぐ断ろうと思ったけど、
「んー…いいよ。どこに行くの?石川町は嫌だよ。」
「おぉ!?珍しいな!お前が断らないなんて。」
これが昨日の事だったら間違いなく僕は断わってただろう。
ただ、
今の僕は、
こんな普通の日常を大切にしたかった。
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